« 2008年09月 | メイン | 2008年11月 »

2008年10月27日

ndjc2006完成作品、期間限定で配信中。

ndjc2006.gif

ndjc2006完成作品が、公式サイトより配信されています。
作品をご覧になった感想もホームページ上で受け付けています。
期間限定ですので、お見逃しなく!
ndjc2006には、当サイトに協力してくださっている、
佐藤克則、真田幹也、村松正浩の3監督が選考されました。

【作品視聴ページ】
http://www.vipo-ndjc.jp/project2006/index.html
配信期間:平成20年10月24日(金)10:00~10月31日(金)17:00

今回は、村松正浩監督作品『けものがにげる』を除く7作品の配信となります。
『けものがにげる』上映情報


【文化庁委嘱事業 若手映画作家育成プロジェクト 公式サイト】
http://www.vipo-ndjc.jp/top.html

2008年10月25日

東京オンリーピック、受賞。

TO250.jpg

『東京オンリーピック』が、第23回デジタルコンテンツグランプリ(主催:財団法人デジタルコンテンツ協会)において、「審査員特別賞」を受賞しました。
経済産業大臣賞「Wii Fit」(任天堂株式会社)、DCAJ会長賞「i Phone 3G」(アップルジャパン株式会社/ソフトバンクモバイル株式会社)、優秀賞「スカイ・クロラ」(株式会社プロダクション・アイジー)などと並んでの受賞です。
当サイトは『男子鉄球玉入れ』(監督:中野裕之)、『ブランカー』(監督:筧昌也)の制作協力をしました。

http://www.dcaj.org/news/dcg2008/index.html


【東京オンリーピック公式サイト】
http://www.onlypic.org/

※画像をクリックすると、劇場版予告篇が視聴できます。

2008年10月24日

短篇jpルーキーズ第3弾 on goo

R3X350.jpg

「gooブロードバンドナビ」にて、
短篇jpルーキーズ第3弾の有料配信が、開始されました。
お楽しみください。

【アクセス方法】
gooブロードバンドナビ→映画ドラマ→おすすめ映画・ドラマ(中段)

運営会社:NTTレゾナント株式会社
http://www.nttr.co.jp/

2008年10月10日

短篇jpルーキーズ第3弾 on BBTV

R3350.gif

短篇jpルーキーズ第3弾が、
ブロードバンドケーブルテレビ「BBTV」で、
本日より有料配信されます。
オリジナルに近い画質と音質をお楽しみください。

【アクセス方法】
ホーム→電子レンタルビデオ→クイックサーチ→邦画→ショートフィルム

※画像をクリックすると、BBTVのショートフィルム特集ページにジャンプします。

運営:ビー・ビ-・ケーブル株式会社
http://www.bbtv.com/

2008年10月08日

短篇jpルーキーズ第3弾 on ぽけっとdeシネマ

poke250.gif


短篇jpルーキーズ第3弾の有料配信が始まりました。
『ポイズンラジオ』(監督:夏目大一朗 出演:高山侑子 古舘寛治 山本剛史ほか)から、毎週更新されます。
ポータルサイトは携帯動画配信の「ぽけっとdeシネマ」
ショートフィルムの傑作『Jam Filmsシリーズ』をはじめ、
当サイトオリジナルの『ハヴァ、ナイスデー』、『神様の言うとおり』、『スイッチ!』も配信されております。
各キャリアのアクセス方法は下記のとおりです。


【docomo】
メニューリスト→動画/ビデオクリップ→総合/バラエティ→ぽけっとdeシネマ

【softbank】
メニューリスト→芸能・映画・音楽→映画・ドラマ→ぽけっとdeシネマ

【au】
メニューリスト→芸能・映画・音楽→映画情報→ぽけっとdeシネマ


運営:ミコット・エンド・バサラ株式会社
http://www.micott.jp/

2008年10月07日

京都映画100 年記念事業「若手才能育成ラボ」レポート(3)

kyoto7.JPG

“京都からベルリンへ、世界へ”
「ベルリンタレントキャンパス」とは、ベルリン映画祭の一環として、2002年から始ったプログラム。世界中の才能ある若手の映画製作者(監督、カメラ、美術、音楽などの領域)数百名をベルリン映画祭の期間中に招待、それぞれの分野の専門家がワークショップやセミナーに参加します。過去に、浅野忠信監督が「ユーリ」で講師として招待されたり、舩橋淳監督の「ビッグリバー」がベルリン映画祭共同プロダクション・マーケットに選ばれました。

【公式サイト】
http://www.berlinale-talentcampus.de/


ワークショップ3日目のレポートです。

◆◆◆

9月15日(月)

あっと言う間に「象煮」の最終日である。午後からは雨の予報。

外が映り込むシーンから撮影することに。長屋の外にレールをひき、再びドリー撮影。この日の撮影カット数は少なかったものの、象煮を食べるシーンがあったので多少不安があったのだが、象煮を味噌煮込みで作ってくれた助監督さんのおかげで、役者さんも苦しむことなく食べることができ、何回もの本番に嫌な顔することなく食べてくれた。予報通り雨が降ってきたが、大きなトラブルもなく全カットを撮り終了えた。
まちぶせ組は、前日から撮りきれないんじゃないかという噂が立っており心配していたのだが、大道さんはどんなマジックを使ったのか、気付けば僕らの組より先に撮影終了していた。
小雨が降りしきる中、片付けをして、今回の企画の主催である京都文化博物館へ。講師の方を交えて発表しあう。井上監督と石原監督が同じことをおっしゃっていた。僕らは皆、一回の本番に対する集中力が甘いと。それはやはり、フィルムで育ってきた諸先輩方に対し、僕らはビデオで育ったということが大きいようだ。ビデオは何度もやり直しがきくので、心のどこかにダメだったら撮り直せばいい、という甘えが生まれてしまっていたのだろう。
シンポジウムが終了し、ラボの全てのプログラムが終了した。町屋へ戻り、打ち上げに参加することに。井上監督に今回の僕の演出方法に対してたくさんの批判を頂く。やはり初日に言われていたとおり、もっとおもしろい撮影方法、冒険をしてほしかったとのこと。僕はもちろん井上監督のご助言も取り入れつつ撮影をしていたのだが、やはり結果的に地味でつまらない撮り方ばかりをしたことになってしまった。もう一つ、井上監督がおっしゃっていたことは、「映画を撮るということは、人間を撮ること」という深いお言葉。まずは何よりも、役者を愛すること。スタッフを愛すること。そして役者を映画の道具にしてはいけない。という言葉が胸に染みた。そんな井上監督が「映画に飢えているのは、僕も君たち同じだ」とおっしゃり、同じ目線に立って話してくださった。林海象監督からは「ここにいる全員のことをすごいと思っている。このままずっと作品を撮り続けてくれ」という参加者全員に対するお褒めのお言葉を頂き、どんなに狭き門でもあきらめないことが一番大切、という一番単純だけれど一番難しいであろう教えに、やる気が湧いた。
今回のラボに参加できて、得るものは大きかったです。同じ世代の監督たちと出会い、寝食を共にするなかで、多くの刺激をもらうと共に、横の繋がりができたのが大きな宝です。さらに監督という大役をやらせて頂き、井上監督やプロのスタッフの方から生身の助言をたくさん頂き、その言葉のどれもが、自分にとって本当に勉強になりました。多くの課題もできましたが、それを含め素晴らしい体験をさせて頂きました。
【片岡翔】


kyoto8.jpg

◆◆◆

『まぶちせ』なのに追いつめられての最終日。
まずは殺陣のシーン。もちろん初めての経験なので撮影所の方に相談したらば、「心配せんでもええよ、嫌でも石原さんが口出してきよるから♪」「ですよね、『必殺』でも監督や殺陣師のつけた動きをどんどん変えていったって有名ですもんね♪」というわけで安心していたら‥‥開始時間を早めた為、石原監督が来る前に撮影することに!とりあえず自分のプランを元に役者さんに動いてもらいディスカッション、不自然な点を修正して本番。見事一発OK!
気が付けば石原監督も到着、後方でニヤニヤと見学されていました。
そこからは全員でワイワイガヤガヤと突っ走り、ギリギリまで粘りながらも無事クランクアップ。後出しジャンケンですが、実は最初から絶対に撮り切れると確信はしていました(実際、ノーテンキにそんな宣言もしたり)。とは言え、やっぱり感無量。最後まで盛りだくさんのワガママを許してくれたスタッフ・キャストの皆さんには、ただただ感謝。本当にありがとうございました。
一方、長屋で撮影された片岡監督の『象煮』は手際よく淡々と進んだそうで、みごとに真逆の現場だったそうです。撮影所の方も「ここまで違うとはな〜。小津と黒澤みたいや」と妙な関心をしていました。
ちなみに、初日の途中から石原監督は現場を離れ、ほとんど放し飼い状態で私たちのドタバタを見守っていました(ドリーショットになったら移動車を押すために復活!)。いま思えば、もっと直接あれこれ指導して頂きたかった気もしますが、現場で思い切り遊ばせて頂いたことに感謝いたします。
最後に石原監督から言われたのは「本番に向かう集中力と緊張感を保て、本番の大切さをもっと考えなあかん」ということでした。細かなミスにより起きる無駄なNG、何のためのテスト、そして本番なのか‥‥今後、克服すべき課題も残されました。
同世代の若手が集まった3日間の京都ラボ合宿。得たものはとても大きく、そしてこれから始まる『まちぶせ』の仕上げ作業が楽しみです。プロジェクターに投影された数カットのラッシュ、その感動は忘れられません。
ラボ事務局の皆様、そして撮影所の皆様、本当にありがとうございました。
【大道省一】


kyoto9.JPG

◆◆◆

天気が次第に悪くなるという予報を受け、日の光が重要なラストカットを大急ぎで撮影。レールドリーを使うカットだったのだが、何とこのレールが木製。接合部も簡単な継手なのだが、これが押してみると凄くかけた力の伝わり方が忠実で、慣れてないとすぐ歪なドリーになってしまう、職人的なレールだった。
撮り直しも含めると時間一杯の撮影になったが、片岡監督は井上監督の意見を取り入れず、長屋以外の屋外ショットは一切撮らなかった。基本的に密室劇なので抜けが欲しくなる井上監督の意見も解る。片岡監督も「意見があれば是非言って」とスタッフにしきりに言っていたので、誰かが強硬に「屋外撮ろうや」と言えば可能だったかも知れない。しかし…勝手な印象論で申し訳無いが、片岡監督の口ぶりは明らかにアリバイ作りだった。多分意見を聞きはするだろうけど通さない。それだけ意思が明確ならファンタジーだしそれを押し通すべき、と僕は思い、余り口を挟みたくなくなった。
そうか、と思う。僕が「ファンタジー」と言う時は「妄想」と言っているのと同義かも知れない。
朝まで飲み明かし、仲良くなった片岡組スタッフのひとりと、京都に住んでいる幼馴染と京都観光しながら考えた事柄。
夢の様な3日間だった。採算だとか、「あわよくば」的な色気だとかを度外視して映像制作に関われたのは何年ぶりだろうか。それはやはり撮影所、そして町屋での集団生活といった部分に依るところが大きいだろう。この様な機会を設けて下さったラボスタッフの方々に改めて感謝。そしてラボに集まった同じ様な境遇の人達にも感謝。年々かつての仲間達が経済的、社会的な理由で映像制作から離れざるを得なくなっている状況で、この縁は今後も大事にしたいと思う。色々と得るものの多い3日間だった。そして僕は妄想と英会話の重要性を改めて認識し、取りあえずiKnow!に登録した。
【吉村真悟】

2008年10月06日

京都映画100 年記念事業「若手才能育成ラボ」レポート(2)

kyoto4.JPG

「若手才能育成ラボ」、ワークショップ2日目のレポートです。

◆◆◆

9月14日(日)

『まちぶせ』クランクイン。
朝、オープンセットの居酒屋に到着して、まず驚いたのは大量の照明機材!僕たちの面倒を見てくれた撮影所の製作の方も「なんちゅう数や」と呆然(同時期に撮影していたドラマよりも多かったそうです‥‥)。中に入ってまた驚き!幾重にも樽が積み重ねられ、蓑笠が掛けられ、枡や酒樽が置かれ‥‥昨日とは全く違う宿場町の居酒屋が待っていました。

そして、出演者の方と顔合わせ&衣装の確認。浪人・武士・中間に扮した役者さんを目の前にワクワクしっぱなし。細かい所作など色々と教えて頂きながら芝居を作り上げていきます。
ライトで室内が赤く染まる中、リハーサルを重ねて本番。
一発目は三人の登場人物をワンカットで見せていく紹介カット。木製(!)のレールを引いてのドリーショット、移動車を押すのは何と石原監督。カメラのズーム&移動+役者さんの台詞&立ち位置など難しい条件満載、石原監督の指示が各部に飛びまくり。初手からいきなり凝った撮影でスイマセン。テレビ局の取材カメラや新聞社の方、石原監督の先生ぶりを見学に来た撮影所の方など千客万来の中「ヨーイ、ハイ!」。
その後はサクサクとテンポよく!とはいかず‥‥せっかく時代劇が撮れるチャンス、存分にやらせて頂きました。室内なのに望遠ショットを狙ったり、ワイドの広い引き画を作ったりと20数カット、予定の1/3を撮りこぼして初日終了。
元々【ほぼ全編が夕方、殺陣あり、ナイターの回想シーンあり】というシナリオに「一日半で全部撮りきれるのか?」という危惧もあったそうですが、粘りの演出を目の当たりにして、それが現実味を‥‥他の班の参加者から「そっち、やっぱり厳しいよね〜」「どうするの?」と心配され(主に自分以外のメンバーが)、林海象監督からも「いくら監督がこだわろうが、撮り切らなきゃ意味ないからな。なんとかしろよ」と叱咤激励される始末(自分以外のメンバーが)。
ギリギリ崖っぷちの大道組。残り半日、台本の残りもあと半分。恒例、深夜のディスカッションも白熱しまくり!
【大道省一】

kyoto5.JPG

◆◆◆

『象煮』クランクイン。
朝から好天に恵まれた。朝飯を簡単に済ませ、松竹へ。長屋に着いて驚く。夜のシーンからの開始だったので、急いで暗幕を貼らなくては、と思っていたのだが、すでに照明さんと美術さんが貼っておいてくれていた。そしてさらに驚いたのは、助監督さんが、長屋の前で象煮を煮てくれている!しかも僕らが考えていた味噌煮込み。具はパンや水菜などで作られており、けっこういい匂いも放っている。皆さんに感謝しつつ、役者さんが登場。
撮影開始。カメラアングルを決め、演技をつけ、テストをして、本番に。どのタイミングで役者さんを入らせるか、テストを何度行うか、演技の付け方も役者さんに対してどんな言い方をすればいいのか、など撮影をスムーズに進行させる術や、役者さんから良い演技を引き出すコツなどを、井上監督からご指導頂く。また、セリフを井上監督に江戸の言葉に直して頂く。昨日、井上監督から「舞台が長屋だけで地味な画になるので、色々とおもしろい方法で撮ってみたらどうだ」と言われたのだが、特に大胆な演出をすることもなく、落ち着いた画を淡々と撮り続けて行く。唯一新しい試みとしては、ドリーを使わせてもらった。年季のはいった木製の移動車とレール。狭い長屋の中に無理を言ってレールをひいてもらう。自主映画ではなかなか使えないので、とても良い経験をさせてもらった。二人の役者さんは、ほとんどセリフが頭に入っていた。こちらのリクエストがすぐ形になって返ってくる。さすがはプロである。
初日に与えられた時間は6時間。終盤で外の画を撮る。長屋がズラリと並んだ路地は、それだけで画になる江戸の景色。そして予定通り全体の7割ほどを撮り終えて、初日を終えた。
町屋へもどり、今回のワークショップの大きな目的の一つである、ベルリンタレントキャンパスに関するセミナーへ。過去のタレントキャンパスでチャンスを掴み、活躍されているドイツのマーク・バウダー監督と舩橋淳監督、林海象監督がいらっしゃり、和やかな雰囲気でセミナーが続いた。ベルリンタレントキャンパスは、何千もの応募者の中から選ばれた若手クリエイターが世界中からベルリンに集まり、主催者が参加者同士無理やりにでもたくさん会話をさせ、その中で世界との繋がりを作っていく、というのが大きな目的とのこと。その中にはプロデュサーや脚本家、ミュージシャンなど、いろいろな人材が集まるので、自分の企画を売り込むには打って付けの場所であるらしい。そのためにはやはり英語が話せることが最低条件であり、このセミナーも全て英語で進行された。
【片岡翔】

kyoto6.JPG

◆◆◆

松竹撮影所内の、長屋のオープンセットで撮影は始まった。
役者さん、撮影所のスタッフさんとの打合せ時間はろくすっぽ無かったが、それでも順調に撮影は進む。勿論小道具まで持参していた片岡監督の練られたプランと力量もある事は言うまでも無いが、下手すりゃ3歳児を監督に据えてもここなら映画完成しちゃうんじゃないか…と思わせる程、撮影所の方々の能力には目を見張るものがある。
指導に当たって頂いた井上監督と、長屋以外のオープンセットを使うかどうかで意見が別れる。さらに片岡監督持参の小道具入れ(サランラップの箱)がゴミと間違われ捨てられかける。危うし片岡監督。
しかし本日のメインイベント、象煮が用意されると、その出来に満足気な片岡監督は写メを撮り始めた。
因みに原料はパン、味噌、カレー、水菜。この後さらに煮崩れて良い塩梅の糞になった。美術さんおそるべし。さらに試食してみると意外とご飯に合いそうな代物で、これなら役者さんにも遠慮無く出せそう。
結局この日はほぼ計画通りに撮影スケジュールを消化。翌日には確実に撮了できるどころか撮り直しも可能であろうという状況に。スタッフは夜の打合せもそこそこに近くの温泉へ出向いていたが、タイミングを失った僕と片岡監督は町屋の洗い場で水浴びと洒落込んだ。
【吉村真悟】

2008年10月04日

京都映画100 年記念事業「若手才能育成ラボ」レポート(1)

kyoto1.JPG

9月13日~15日、京都映画誕生100周年を記念して、
「若手才能育成ラボ」が開催されました。
短篇jpに協力してくださっている大道省一、片岡翔、吉村真悟の3監督が、
書類・作品選考に合格。「Hands-on "JIDAIGEKI"」というワークショップに参加させていただきました。
2作品製作する短篇映画のシナリオコンペで、大道監督の「まちぶせ」、片岡監督の「象煮」が選ばれました。
京都の太秦撮影所で行われたワークショップのレポートを3回に分けて掲載します。

【公式サイト】
http://www.kyoto-berlin.jp/
共催:京都府、ドイツ文化センター、京都文化博物館、大学コンソーシアム京都、東映京都撮影所、松竹京都映画

◆◆◆

9月13日(土)

TVの再放送で見た『必殺』シリーズにハマり、それがキッカケで映像に興味を持ったあげく人生の方向転換をした自分にとって、京都での3日間は大変有意義なものでした。

初日は東映京都と松竹京都映画の両撮影所を見学した後、参加者はHand-on時代劇コースとドキュメンタリーコースに別れて行動。私が参加したHand-on時代劇コースは松竹京都映画撮影所のオープンセットにある長屋と居酒屋を舞台に、プロの監督やスタッフの協力のもと2本の短編時代劇を撮るという内容です。
事前のコンペで居酒屋を舞台にした『まちぶせ』というシナリオが選ばれた私は監督を担当しました。指導に当たるのは『必殺』シリーズの光と影の映像を作り上げたカメラマンであり、監督としても活躍されている石原興氏。期待と緊張が交錯する私に石原監督は一言、「好きに撮ったらええねん」。
そして、自分以外の5人のメンバーがそれぞれ撮影部・照明部・美術部・演出部・製作部の各パートに別れ、プロのスタッフと共に明日の撮影に向けての準備を開始。まずは全員でシナリオを読み直し、何が必要かを確認。
美術的に大きなポイントは居酒屋の内装でした。通常、居酒屋のセットは江戸の町にある事を前提とした装飾ですが、今回のシナリオは寂れた宿場町の居酒屋という設定。「粋な江戸っぽい装飾を外し、色を殺して、ごちゃごちゃと田舎風にしたいです」と撮影所の美術の方にイメージを伝えて話し合い。明日までに飾り変えをお願いすることに。
照明技師の方からは「全編夕景やけど、人への明かりはベタで行く?七部?半分?」と聞かれました。「必殺とか市川崑好きなんですよ。半分は影になってもいいような‥‥えっと逆光が強くて硬い感じで」とミーハー丸出しで答えると、何とその方は市川組の常連、「よっしゃ、わかった。まかしとき!」と快諾。
石原監督からは撮影の心構えから障子や板戸は右が手前など細かい常識まで、早口でアドバイスを受けました。最後に「映画や撮影やいうてもな、結局は遊びやからな、楽しんでやらなあかんぞ!」と言われて解散。
宿舎に戻っても深夜までディスカッションの連続でした。
初対面の6人がチームになっての撮影、最初はみんな手探りで不安や遠慮もありましたが、お互いの作品を観て酒飲んで銭湯に行って一致団結。
撮影は朝の9時から、いやが応でも待ったなし。
【大道省一】

kyoto2.JPG

◆◆◆

京都、太秦にある東映撮影所へ集合。
参加者プロフィールを見ると、プロとして活躍されている方や、大作映画の製作に携わっている方、海外で映画を学んでいる方が多く、肩身の狭い思いをする。今回のプロジェクトは、京都文化博物館が主催で、東映・松竹と二大スタジオが協力として携わっており、この上ない豪華なワークショップだ。
東映と松竹のセット内を見学させてもらう。日本を代表する、そうそうたる俳優の名札がついたかつらが並んである部屋や、たくさんの着物が積まれている衣裳部屋、小道具は時代劇に欠かせないものを全て網羅しており、随所に撮影所の歴史を感じさせる。城や大広間など豪華なセットには、いろいろな工夫がある。一番目に付く手前部分を本物の材質にしたり、こだわり、利便性、安全性、コストなど、様々な面から考慮して最善の方法で組み立てられてあるそうだ。
夕方になり、時代劇チーム内で大道さんの「まちぶせ」班と僕の「象煮」班とにチーム分けをする。象煮班は5人、まちぶせ班は6人。自己紹介をする間もなく、撮影場所である長屋に移動する。年季が感じられるオープンセット。いくつかの壁は取り外しができるらしく、利便性も抜群。僕らの講師となる監督は、井上泰治監督。水戸黄門シリーズの監督をしながら、精力的に自身脚本の映画を製作しておられる方だ。初っ端、井上監督から「どうせ他が使ってないんだから、外のセットも自由に使っていいぞ」と驚きの発言を聞く。使えるのは長屋のみ、、、という条件で悩んで書いたのだったが、、、。嬉しい悲鳴をあげるも、別プランを考える暇もなく時は過ぎて行く。今回撮影に手を貸して頂くプロの照明技師、録音部、美術部、助監督さんも紹介され、あたたかい協力を得る。
しかし、進行の方からこの日二度目となる驚きの言葉を聞く。「明日役者さんたちが衣裳もメイクも完了した状態で、9時にインするので、すぐに撮影開始できるように」と。明日は8時半集合。今日与えられている時間は2時間。必要な小道具を揃えるのだけで手いっぱいな状況。メンバーの顔と名前が一致しない状況で、本当に明日朝一で撮影を始めることができるのか、大きな不安に襲われる。あっと言う間にタイムリミット。肝心な「象煮」をどうやって作るかが決まっておらず、帰り道で「味噌煮込みにしよう!」などと相談しながら、宿泊場所となる町屋スタジオへ。夜は参加者それぞれの応募作品紹介。ここでやっと自己紹介を行う。プロジェクターに映される各々の作品は、本人の持つ雰囲気と異なっているものが多く興味深い。それぞれが個性的で、レベルも高く、とても良い刺激を受けた。
【片岡翔】

kyoto3.JPG

◆◆◆

ラボ初日の今日は撮影所内を見学し、ラボ期間内に短篇時代劇を制作する「Hands-on 時代劇コース」を選択していた僕は、ラボにシナリオを採用された大道監督「まちぶせ」、もしくは片岡監督「象煮」のどちらのスタッフになるかを選ばなければならなかった。
シナリオを読んでみると、「まちぶせ」は流石、時代劇の好きな大道監督というか、基本的な要素は一通り抑えて、尚且つ殺陣のシーンもあり、応募要項に「チェーンソーでチャンバラやりたい」と書いた僕にはうってつけのように思われた。一方、「象煮」は江戸にやって来た象の糞を煮て食べる…えっ! スカトロ!? 気が付くと僕は片岡組に入っていた。
この一件で僕は自覚した。観るなら別として、作るならやっぱファンタジーが入ってないと駄目だ。ファンタジーという言葉をどう取るかは人それぞれなので説明が難しいのだが、例えば僕の場合はチェーンソーだったり象の糞だったりする。
その後宿泊地となる西陣町屋スタジオへ移動。もう翌朝が撮影なので、脚本を元に深夜に及ぶ打合せ。お風呂は銭湯、大広間で雑魚寝という素晴らしい環境のため、嫌でも結束感、期待感は高まる。
【吉村真悟】