『短篇jpルーキーズ×Clip Life』講評。
『短篇jpルーキーズ×Clip Life』の【新企画】に参加してくださった監督たちのシナリオへの講評です。
製作決定作品は、明日の夜、このブログで発表いたします。
該当作の監督に、ご質問の連絡が入るかもしれません。
よろしくお願いいたします。
『冬空*ピイス』 監督:小鶴
・亡き実母のメッセージと子猫が変身した娘との接点や重みに違和感があるため、設定を修正してみてはどうでしょうか。(淵上)
・カケルと実母との関係をもっと描いた方が良い。(平田)
・猫なら猫で良いような気がするのですが・・・。何となく構成が上手くいってない気がします。(川端)
・父と継母の回想と出現が、話を散漫にしています。母を失ったカケルと女だけのストーリーでも成立しそうです。(本田)
・母の遺言の重さが足りないかな。猫以外ないんだろうな。(田村)
『愛を、更新する。』 監督:小鶴
・ドラマ性を持たせられるよう、工夫してみてはどうでしょうか。(淵上)
・ナレーションで説明しすぎ。(平田)
・正直、二人が続いている動機、状況がわかり辛いので最後までもやもやしたまま終わってしまう感じです。(川端)
・構造やカタチに溺れているような気がします。説明過多。このままフィルムにするのは、ちょっと淋しいです。(本田)
・ナレーション(説明)頼りすぎです。(田村)
『いちおくまんえん』 監督:片岡翔
・夫婦の会話の推敲および動きの演出方法を工夫しても良いのではないでしょうか。(淵上)
・いい話ですが、虎太郎と両親との関係を会話でもう少し明瞭にした方が良いと思う。(平田)
・若干不必要に中盤が長い(伏線で無い部分)。7歳の子供が行うトリック(悪戯)なので、もう一工夫欲しい気がした。例えば、実は両親は気がついていたとか・・・。(川端)
・ウェルメイド。「年末」という季節柄か、ネタが被っていました。これも仕掛けが見えてしまいますが、虎太郎をあえて抑えて描き、ラストを予想外な概念提示に変更する手もあります。(本田)
・いい話だと思います。結末をもう少し見えなくする工夫を。(田村)
『遺書とハンバーグ』 監督:田平衛史
・ヒロインが遺書を書き綴る理由や男性の性格バックグラウンドが伝わるよう、工夫してみてはどうでしょうか。(淵上)
・「遺書」という題材が活かされていないように思う。(平田)
・短編としては成立しやすい可能性があります。演出次第ですが、歩の気持ちが開いていく様が温かく描ければいいなあという気がします。(川端)
・タイトルやモチーフの持っている感覚が、異化効果として表現できていない気がします。たぶん、構成とセリフ。(本田)
・毎日遺書を書くってのは面白いですけど(田村)
『花泥棒』 監督:佐藤克則
・子供霊があの世へ引きこもうとする動機が伝わりにくいので、取ってつけた感がある。子供霊の動機の説明が必要ではないでしょうか。(淵上)
・良くあるパターンだけど、臨場感は伝わってきました。(平田)
・プロットは面白いと思うが、ラストの彼に救われた後の倫子の生きる勇気が備わるところが欲しいかと思います。(川端)
・結末が判りながら、観続けることができるかどうか…「霊」が陳腐にならなければ。演出力次第です。(本田)
・この状況になったのは彼女のココロの問題なの?その辺りが(田村)
『チューインガム』 監督:近江敬史
・ドラマ性を持たせられるよう、工夫してみてはどうでしょうか。(淵上)
・良くある話の域を超えていない。(平田)
・もっとキャラクターを掘下げないと二人の遣り取りが陳腐に見えて面白くないと思います。(川端)
・「狙い」のくさい設定とセリフ。実現するには、役者と演出力が必要です。(本田)
・う〜ん。(田村)
『屋上娘』 監督:江藤有吾
・女の娘との交流で、主人公の心境になぜ変化があったのかがわかりづらいため、もう少し工夫してみてはどうでしょうか。(淵上)
・美由紀のキャラクターは良い。(平田)
・美由紀の「プライド」の拘りがもう少し明確に描けると、もっと面白くなる気がします。(川端)
・うまい。若い監督への褒め言葉にはなりませんが、いいフィルムになりそうです。ラストの美由紀の感情を、もう少しだけ、くっきりと知りたい気がしました。(本田)
・ありじゃないでしょうか。(田村)
『元カレの中古車』 監督:松尾博司
・主人公の男女が恋に落ちる伏線をもう少し工夫して推敲しても良いのではないでしょうか。(淵上)
・設定にアイデアがある。コメディとして描写できれば面白い。(平田)
・後半の都花と朋樹の流れを整理し感情移入しやすいように。ラストの都花の気持ちが「哀愁⇒希望」になるような展開の方が短編としては観やすい様な気がします。(川端)
・構成力を感じました。二役とか、ギミックに走りすぎないように、都花を描けると、沁みるかもしれません。 (本田)
・企画ハッキリして面白い。結末もう少し考えるとさらに…(田村)
『恐竜の骨』 監督:小田学
・主人公の感情と懐かしい思い出による感情の変化の関係性がよくわかりにくい。もう少し感情移入できるような描写が必要ではないでしょうか。(淵上)
・胸がキュンとなるような話になると思うが、この話の焦点がどこにあるのかわからない。(平田)
・企画意図は面白い。伸樹が生きるヒントをもらった等の心情の変化がもっと欲しい。疲れた感も薄い。(川端)
・上質ですが、過去と現在を整理して、伸樹と伸樹が出会うところをきちんと描いて欲しい。1日で撮れますか?(本田)
・小さなことが転機になる。友人との関わりもう少しがあった方が(田村)
『ありがとう』 監督:田中有紀美
・主人公とおばあちゃんの間のやりとりに「動き」が少ないので、それを追加する工夫や「会話にユーモア」を加味する工夫をしても良いのではないでしょうか。(淵上)
・話の展開が単純すぎると思う。(平田)
・短編として可能性があるかと思います。観客に中盤でおばあが救急車で運ばれたと思わせる演出が出来れば勝ちかも。職業は監督でない方が良い。(川端)
・まとまっていますが、O・ヘンリー的な、ちょっといい話ではもの足りません。ラストを大きく崩すのは?(本田)
・結末があまりにストレート過ぎるのでは(田村)
『傘』 監督:田中有紀美
・コメディあるいはオトメドラマ風に大げさに映像化すればバカバカしくてよいのではないでしょうか。(淵上)
・書きかけの手紙の内容と傘との関係がはっきりしない。(平田)
・今回の課題とはズレテル気もするが、もっとコメディーに振るか、イベントを創ると面白い短編題材と思います。(川端)
・着想は理解できます。もう一つドラマを増やさないと、ムービーエッセイ。10分もたないと感じました。(本田)
・傘ホントたまるんだよね、もうちょっとなんかに使えないの(田村)
『彼、かれ、彼女』 監督:田中有紀美
・ドラマ性を持たせられるよう、工夫してみてはどうでしょうか。(淵上)
・良くある話の域を超えていない。(平田)
・ストーリーが流れていくだけで、最後に何も残らない感じがするのですが、余韻で考えさせるには小さな出来事ですし。(川端)
・誰にでもありそうで、なさそうなドラマですが、共感できませんでした。ラストの次のシーンが観たいです。(本田)
・ストレートですね。(田村)
『シン』 監督:吉村真悟
・ラストをもう少しわかりやすくする工夫をしてみてはどうか(わざと、視聴者に想像させるようにしているとしても、もう少し推敲してみてはどうか)。また、少し冗長な感じがするので、シーン構成の順序を変えてみることを検討しても良いのではないでしょうか。(淵上)
・テンポ良くストーリーを進めていく工夫が必要。(平田)
・前半引っ張ってる割に、キャラの掘下げが甘いので感情移入しづらい。ラストはもう少し判りやすくても良いような気がします。(川端)
・小ネタで引っ張るには、構成が雑な気がします。わかりにくいのは罪ではないけれど、わからないのは罪かもしれません。(本田)
・ちょっと強引すぎないかなあ(田村)
『P.I.A.』 監督:吉村真悟
・メガネのサラリーマンがラストに影響しているという描写をもう少し工夫したほうが良いのではないでしょうか。(淵上)
・近未来ものに挑んだのは立派だが、登場人物のキャラクターが伝わらない。(平田)
・タイムトラベルの面白さが出ていない気がしますし、公衆電話が面白く描かれていない。(川端)
・予算的に不可能? 設定は楽しめましたが、もっと単純な構成な方が視聴者に親切です。(本田)
・予想外なものがなかった。歴史が変わった原因も不明。(田村)
『イギリスへ旅立つ日』 監督:井筒実里
・主人公がなぜイギリスに行く決心をしているか、また何を解決したいかがわからないため、感情移入できない。もう少し説明が必要ではないでしょうか。(淵上)
・日常からの脱却というテーマが、イギリスに旅立つという展開では安直すぎる。(平田)
・ログラインは面白いが、美佐の心の変化が判り難い。イベント構成など再考要。(川端)
・未消化な気がします。心の問題を描こうとしながら、言葉で心が伝わらない描写は不利です。(本田)
・視点を変えるとのテーマは分かるが動機がうすいのでは(田村)
『グランドキャニオン』 監督:池
・(タイトルも含めて)グランドキャニオンである必然性があるか。視聴者に伝わらないのではないでしょうか。 (淵上)
・家族関係は上手に描かれているが、ラストのグランドキャニオンは唐突。(平田)
・キャラが薄く、ストーリー展開がメリハリが無くしんどい。母と広美の関係もいま一つ。(川端)
・セリフの妙で、読まされてしまいました。破綻ぎりぎり。たぶんフィルムになると伝わる話なのですが…
(本田)
・家族の転機の一日はちょっと面白いかな、だけど…(田村)
『気のいい床屋に集まれ』 監督:大森研一
・店長が借金まみれの必要ないのではないでしょうか(借金まみれの必然性があるか)。もう少し設定を絞り込むか、借金を抱えるに至った描写を組み込んでも良いのではないでしょうか。(淵上)
・店長のキャラクターがいまひとつ伝わってこない。(平田)
・店長の「気の良さ」が描けてないのが残念。店長のキャラの掘下げが必要。(川端)
・プロットは凡庸。短篇では登場人物の多さが致命的な気がします。(本田)
・床屋はなぜ借金?結末が読めますね(田村)
『記念日』 監督:大森研一
・タイトルの変更も検討してみてはどうでしょうか。(淵上)
・シチュエーションは独創的で良い。二人の会話の内容が物足りない。(平田)
・テーマや意図も面白いのですが、低予算・短尺で敢えて宇宙人にする必要があるのかと迷います。(川端)
・企画は独特で面白いのですが、二人が饒舌すぎます。ドブロクを「人」にすると「BOSS」になってしまいますかねぇ。(本田)
・ドブロクが普通の人間みたいな方がよいのでは(田村)
『300万の嘘』 監督:岡元雄作
・300万を借りるという設定とその使途を、視聴者が色々考えてしまうような伏線やひねりが必要ではないでしょうか。現状では単線的すぎるように感じます。(淵上)
・終わり方があっけない。話をシンプルにした方が良いと思う。(平田)
・コメディとしては面白い。ただ、洋一はここまで良いとこ無しで良いのか?夏美の行動原理もいま一つのような気がします。(川端)
・単純に笑えればよいのかもしれないけれど、3名の動線が曖昧。最後のセリフが落着しませんでした。入り口が面白いだけに残念です。(本田)
・ロマンチックな話かと思ったらゲンナマの話だったのは面白かった(田村)
『タイトル未定』 監督:岡元雄作
・各短篇に同一キャラクターが登場するというアイデアは良いと思う。(淵上)
・コメントなし。(平田)
・考え方はわかるが、まず与えられた課題の中で成立することを考えてみては。(川端)
・後出しジャンケン。設定は違いますが、同じようなアプローチを考えております。企画がフェアなのかどうか、悩みます。(本田)
・‥‥(田村)
【選考メンバー】
淵上英敏(コンテンツプロデューサー)
平田樹彦(映画プロデューサー)
川端基夫(映画プロデューサー)
本田昌広(映像ディレクター/プロデューサー)
田村広瑛(CMプロデューサー)