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『夕凪』(その3)

キッタハッタ、オトモツイタ

編集はそれまでの大人数での共同作業から一転し、少人数で平和な時間が流れる。といいながらも、作品完成の締切まであまり時間はなく、撮影終了後休まずすぐに編集にとりかかる。
安里監督が編集をしている場所に撮影の木暮洋輔さんが顔をだす。カラーコレクション、つまり画質の調整等を担当した石谷岳寛さんとも旧知の仲で、皆で画を見ながら意見を交わしていた。出来るだけ10分以内に作品を仕上げようと試行錯誤するが、物語のゆったりとしたリズムを優先し、多少長くなる。
音楽は長嶌寛幸さんにお願いする。“精密で野蛮なマン・マシーン”(……いいですな、このキャッチフレーズ(?))と呼ばれ、『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』(青山真治監督)や『エンジェル・ダスト』(石井聰互監督)などの音楽を担当されている方だ。精密で野蛮なマン・マシーンと女タランティーノなふたりですが、今回は落ち着いたピアノ曲を作る。トンネルであずさと肇が叫びながら走っていくシーンに音楽をあわせてみると、なんとも切ない。
音楽と同様、今回の作品は効果音がとても重要である。広場で羽を手にするところなど、無音や風の音といった音で表現する部分がいくつもあった。こだわり始めるとノン・ストップな安里監督だが、今回永口靖さんが解釈し用意した音は安里監督の思うところと合致しており、スムーズに整音作業が進む。

完成した作品に関し、福田麻由子さんが可愛い!という声が私の周りでは一番でした。また今までの安里麻里監督作品を知っている方は、静の動きも表現できるのだ、と衝撃を受けていました。
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